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1000直の出走頭数と外枠のアドバンテージ

  • 2014年07月29日(火) 12時00分


頭数が少なければ外枠のアドバンテージは縮小し内枠の不利も軽減される?

 アイビスサマーダッシュは、登録頭数がフルゲート割れの17頭だった。それを見てふと思ったのが、「出走頭数によって外枠のアドバンテージは異なるのか?」ということである。

 御存知のように新潟1000直といえば外枠有利が有名で、ファンもそれを意識して馬券を買う。ただ頭数が少なければ内枠の馬が外に寄せていく幅も小さくて済むので、外枠のアドバンテージは縮小し、内枠の不利も軽減されるように思える。

 実際の数字がどうなのか見てみよう。まず、1000直のできた2001年以降の枠番成績はこちら。長くなるので1〜2枠と7〜8枠だけ抽出する。

2001年以降の枠番成績

2001年以降の1000直枠番成績


 省略したところも外に行くに従って成績が良くなっているので、内枠不利・外枠有利ははっきりしたところだ。

 では、7〜8枠(念のため、馬番ではなく枠番)に入った馬のレース出走頭数別成績はどうなっているか。結果はこちら。

7〜8枠に入った馬のレース出走頭数別成績

7〜8枠に入った馬のレース出走頭数別成績


 8頭以下だとさすがにアドバンテージが無くなっている印象だが、9〜11頭立てだと既に回収率は高い。ちなみに勝率や複勝率も添えてはみたものの、頭数が少なければ上昇する数値なのであまり意味はない。

 反対に1〜2枠の出走頭数別成績はこちら。

1〜2枠に入った馬のレース出走頭数別成績

1〜2枠に入った馬のレース出走頭数別成績


 どんな頭数でも回収率は地味だった。少頭数時のおいしいところは真ん中の枠の馬たちが持って行ってしまったようだ。

 データがスペースを取るので説明が淡々としてしまったが、要するに「極端な少頭数にならない限り、結局外枠有利は変わらない」ということである。アイビスSDだけでなく、1000直の予想をするときは常に念頭に置いておこう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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