もうちょっと比較の難しい波乱レースがつづくことに期待(?)
JRAで行われたこの2歳世代の重賞はここまで中心人気に支持された馬が負けつづけ、函館2歳Sから、デイリー杯2歳Sまで、9重賞連続して「1、2番人気馬」は勝てないでいる。
明日の東京スポーツ杯2歳Sのあと、次週は新重賞となった2000mの京都2歳S、そして12月のGIや,新重賞ホープフルSに移っていくが、エース級が出走してくると波乱の流れは変わるのだろうか。
もうちょっと比較の難しい波乱レースがつづくことに期待(?)して、人気上位ではあっても1、2番人気にはならないはずの
ジャストドゥイング(父ゼンノロブロイ)の快走を考えたい。
前回の芙蓉Sは、新潟外回りの1800mの少頭数とあって、信じがたいほどの超スロー。スローペースの程度にもよるが、スローの長い直線の勝負になると「各馬の秘める資質が判明することがある」という見方を取りたい。
前半1000m通過は、67秒4。さらに緩い流れはつづき、1200m通過は1分20秒6となった。平坦の直線に向いて一気にペースアップして、最後の3ハロンで刻まれたラップは「11秒0-10秒1-11秒1」=32秒2である。
直線1000mは別に、レース全体の上がり3ハロンとすると、まず滅多に生じることのない究極の「秘めるスピード能力=いわゆる才能」比べだったかもしれない。
2番手にいた人気のロジチャリスと、これをマークするように進んでいた2番人気の
ストリートキャップが並んで抜け出し、その1馬身くらいあとにジャストドゥイング。しはらく前の2頭のマッチレースかとみえた場面がつづいたが、残り100mになって再加速に成功したジャストドゥイングが2頭の内側から、2頭を切り捨てるように差し切ってみせた。
レース上がりが32秒2なので、上位はみんな上がり32秒台だが、わずかの違いとはいえ、特筆すべきは勝ち馬の最後の3ハロン。前記のレース上がりから推測できるのは、ジャストドゥイングは、直線に向いて2ハロン連続して「10秒台」のラップをこなしただけでなく、最後も「10秒8-9」。そこで、上がり32秒0となった。光ったのは、ゴール寸前のフットワークをのばしたバネ。調教で栗東の坂路を上がってくる際の脚さばきにも、柔らかいというより、鋭利なバネを感じさせるのが最大の長所である。
まだ、ペースアップしたいところでの反応一歩であったり、3戦しているわりに完成度は低いと思えるから、自在のタイプに翻弄されてしまう危険は大きいが、ジャストドゥイングの広がる将来性を高く評価したい。
もう素質が確認されている
アヴニールマルシェと、東京コースでこそ真価発揮のハービンジャー産駒
クラージュシチー、
スワーヴジョージを相手本線にする。JRAの芝1800mから2000mだけで9頭の勝ち馬を送るハービンジャー産駒は、9頭の母父はすべてサンデーサイレンスと、その直子である。東京コースがもっとも合うだろう。