厳しい流れになることはない
改装された中京コースで行われた最近2年の勝ちタイムは、2012年が2分03秒6「前半64秒5-後半59秒1」で、レース上がりは34秒6。昨2013年の勝ち時計は2分02秒1「前半62秒0-後半60秒1」。レース上がりは35秒3だった。
まだ2年だけなので、ありがちなパターンも傾向もないに等しいが、牝馬らしい「切れ味」を持ち味にする馬が多い2000mとあって、前半はあまり厳しい流れになることはない。最後は速い脚の長つづきする自在型が有利だろう。
フーラブライド(父ゴールドアリュール)の2連覇に期待する。昨年は50キロの軽ハンデと、スローに近い流れを早め早めにスパートして出た酒井学騎手の好騎乗が最大の勝因だが、今年もあまり下げずに中位=好位追走から、56キロになるハンデを考え、早めのスパート作戦を取るはずである。
昨年の(愛知杯の)1勝を含め、4歳になって以降に5勝を記録するのはタフな成長力。これはダート戦もまったく平気で、むしろダートの方がずっとしぶとさが生きる父ゴールドアリュールの影響力だろうが、実は母方もタフできわめて渋い。ファミリーに配されてきた種牡馬は、メジロマックイーン、マルゼンスキー、サーペンフロ(父サーアイヴァー)、ステューペンダス(父ボールドルーラー)…。
一族の代表馬は、3代母ゴールデンローズの全弟になるランニングフリー(父サーペンフロ)であり、同馬はAJCC・日経賞などを制し、天皇賞・春2着など8歳時までトップクラスで快走し、通算47戦【7-7-4-29】。1980年代後半のもっともタフな馬の1頭だった。主戦騎手は、なぜか今年絶好調、先週につづき阪神のG1に出走馬(ペイシャオブロー)を送る菅原泰夫調教師である。久しぶりにこの一族から出現した活躍馬フーラブライドはなにやらレース運びまで似たようなところがある。
もともとはダートで活躍し、4歳の後半になってから連続して芝に出走するようになった珍しい出世形のフーラブライドは、ダートでは渋って締まった馬場が大の得意だったくらいだから、今週の少し時計がかかりそうな芝コンディションは大歓迎と思える。
同じエリザベス女王杯好走組の
ディアデラマドレ、
キャトルフィーユが当面の強敵だが、復調
バウンスシャッセ、絶好調
コーディリアに、
アイスフォーリス。さらに
スイートサルサまで手を広げておきたい。