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隠れた重巧者の可能性/白富士S

  • 2015年01月30日(金) 18時00分


最大の長所であるタフな一面

 大雪注意報が出ていたほどは降雪量も、降雨量も多くなかったはずだが、多摩地区は都区内では気温が低い。馬場の回復は早くないだろう。

 だれも芝コンディションは読めないが、「やや重〜重馬場」の発表以上に、タフなコンディションになる可能性がある。伏兵アロマカフェを狙いたい。

 明けて8歳馬。昨年、7歳時のこの白富士Sはエアソミュール(先週のAJCCを3着)の2着。2分00秒1(上がり33秒7)で乗り切っている。当時は、前年の11月に1600万特別を勝ち、古馬になってからは久々のオープン戦だった。3歳時からラジオNIKKEI賞を勝つなど活躍していたが、4歳時、5歳時は1勝もしていないから、6歳の暮れになって再びオープンに返り咲いたあたり、きわめてタフで丈夫である。

 以前より詰めは甘くなって、好走しても善戦止まりの危険はあるが、ベテランだからというだけでなく、もともと渋った場馬は苦にしない。3歳春、2000mを2分09秒1も要した山藤賞を勝っているから、最近は重馬場に出走したことはないが、隠れた重巧者の可能性がある。時計のかかる馬場は平気。これを味方にしたい。

 ちょっと古いが、祖母ジャカード(父サンシャインボーイ)は、1981年、1分41秒3も要した極悪馬場の桜花賞を独走したブロケードの半妹。その父サンシャインボーイは、今春、グランプリボス(父サクラバクシンオー)が種牡馬となったから、日本でただこの父系だけ、実に40年以上もサイアーラインが存続しているテスコボーイ系であり、とにかくタフで丈夫。この父系は冬場でも筋肉が硬くならないなどといわれる。最大の長所であるタフな一面が、雪のあとの渋った馬場で全開することを期待したい。

 波乱の可能性大。人気どころ以外では、やけに動きの良かったエバーブロッサムと、すっかり終了状態だったが、なぜか今週は走る気をみせたペルーサにも手を広げたい。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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