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父キンカメ、母はゴールドアリュールの全妹クィーンチャーム

  • 2015年03月04日(水) 12時00分
アニエール(牝 栗東・清水久詞 父マンハッタンカフェ、母エリモアテナ)
 全兄ディアプリンシパルはダートで準OPまで出世した。母エリモアテナの全兄エリモブライアンはステイヤーズS(GII)の勝ち馬で、2代母エリモパッションの半妹にオークス馬エリモエクセルがいる。「マンハッタンカフェ×ブライアンズタイム」という組み合わせはトレンドハンター(11年フラワーC-GIII、11年桜花賞-GI・3着)と同じ。同馬の2代母の父はStorm Cat(その父Storm Bird)で、本馬の2代母の父はマルゼンスキー(その父Nijinsky)。Storm BirdとNijinskyは相似な血なので、全体的によく似た血統構成となっている。兄と同じく基本的にはパワー型だと思われるが、牝馬なので芝をこなす可能性も十分。

クィーンチャーム(牝 栗東・池江泰寿 父キングカメハメハ、母オリエントチャーム)
 母オリエントチャームは秋華賞(GI)4着、マーメイドS(GIII)3着などの成績を残した。その全兄ゴールドアリュールはダートGIを勝ちまくり、JRA賞最優秀ダートホースとNARグランプリ特別表彰馬に選ばれ、種牡馬としても大成功している。現在の日本のダート界はキングカメハメハとゴールドアリュールが勢力を二分しているので、「父キングカメハメハ、母はゴールドアリュールの全妹」という配合の本馬は、日本を代表するダートのエリート配合といえる。全姉ピクシーチャームは未勝利に終わったが、馬体重が400kgに満たない小柄な馬体だったことが影響した。「キングカメハメハ×サンデーサイレンス×Nureyev」という配合でNureyev 4×3というクロスを持つ本馬は、トゥザグローリー(11年京都記念-GIIなど重賞5勝)、トゥザワールド(14年弥生賞-GII)の兄弟とまったく同じ。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。

グラツィオーソ(牡 栗東・藤岡健一 父スペシャルウィーク、母グレイトグレイス)
 全兄キーンゲイルはダート中距離路線で活躍し、準OPまで出世した。2代母スカーレットリボンは報知杯4歳牝馬特別(GII)の勝ち馬で、近親にはダイワメジャー(04年皐月賞-GI、06年天皇賞・秋-GI、06年マイルCS-GI)、ダイワスカーレット(08年有馬記念-GI、07年桜花賞-GI、07年秋華賞-GI、07年エリザベス女王杯-GI)など多くの活躍馬がいる。「スペシャルウィーク×グルームダンサー」は少ないサンプルから他にタガノグラマラス(準OP)が出ており相性のいい組み合わせといえる。兄同様の活躍を期待したい。

グレイサミット(牝 美浦・田村康仁 父タイキシャトル、母ペルラー)
 半兄リーゼントブルース(父シニスターミニスター)はダート中距離の1000万条件で堅実に稼いでいる。Nijinskyクロスを持つタイキシャトル産駒はニックスで、ゴールデンキャスト(04、05年セントウルS-GIII)、ウイングレット(05年中山牝馬S-GIII)、ディアチャンス(07年マーメイドS-GIII)といった重賞勝ち馬を送り出している。本馬はこのパターン。母も兄もダートで活躍した馬なので、おそらくダート向きに出るだろう。1400〜1800mあたりが適距離。

スリーフルマーク(牝 栗東・村山明 父スズカマンボ、母フルーリー)
 母方にジェイドロバリーが入るスズカマンボ産駒はメイショウマンボ(13年オークス-GI、13年秋華賞-GI、13年エリザベス女王杯-GI)と同じパターン。スズカマンボの母スプリングマンボとジェイドロバリーが相似な血で、この組み合わせが配合的核心であると思われる。本馬はスプリングマンボ≒ジェイドロバリー2×2という大胆な配合。2代母Afraahの半姉La ConfederationはサンチャリオットS(英G2)の勝ち馬で、3代母Uniteは英・愛オークスを連勝した名牝。きついクロスを支える異系のヨーロッパ血統も豊富なのでおもしろい。ハマれば飛距離が出そうな配合だ。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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