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ポルトドートウィユの全弟ポルトフォイユ

  • 2015年05月27日(水) 12時00分
ココファンタジア(牝 栗東・友道康夫 父ステイゴールド、母ココシュニック)
 富士S(GIII)を勝ったステファノスの4分の3妹。父がディープインパクトからステイゴールドに替わった。母ココシュニックは現役時代にダ1700〜1800mで3勝を挙げた。ゴールデンハインド、ロングロウ(いずれもOP)の全姉でもある。2代母ゴールドティアラは南部杯(GI)などダート重賞を5勝した名牝。母方の血はパワータイプでありながら、母の全弟ゴールデンハインドは万葉S(OP)を勝つなど意外に芝適性を秘めている。母方にフレンチデピュティを抱えるステイゴールド産駒は成功しており、アイスフォーリス、グランシルク、セイカプリコーン、ラインハートなどコンスタントに活躍馬が誕生している。芝1600〜2000mが合っている。

ブラボーウォーム(牝 栗東・音無秀孝 父クロフネ、母ブラボーサンライズ)
 ブラボーデイジー(父クロフネ/10年エンプレス杯-JpnII、09年福島牝馬S-GIII)の全妹にあたる。クロフネの成功パターンはいくつかあるが、サンデーサイレンス、Mr.Prospector、La Troienne を入れたものは手堅く成功しており、フサイチリシャール、クラリティスカイ、セイコーライコウといった大物が出ている。全姉ブラボーデイジーが芝・ダートを問わず走ったように、本馬も幅広い舞台で活躍できそうだ。

ブランボヌール(牝 栗東・中竹和也 父ディープインパクト、母ルシュクル)
 母ルシュクルはファルコンS(GIII)3着馬。2代母アジアンミーティアはUnbridled's Songの全妹にあたる。4分の3同血(父と2代母が同じ)に新潟大賞典(GIII)を勝ったダコールがいるほか、「ディープインパクト×Unbridled's Song」のダノンプラチナにも配合構成が似ている。母方にUnbridledを持つディープインパクトは走っており、前出のダコール、ダノンプラチナのほか、ダノンバラード、サイレントソニック、アンドリエッテなどが出ている。この配合パターンを持つ馬がJRAで12頭しか出走していないことを考えると優秀だ。仕上がりが早く、平坦コースでとくに強そう。

ポルトフォイユ(牡 栗東・高野友和 父ディープインパクト、母ポルトフィーノ)
 京都新聞杯(GII)ときさらぎ賞(GIII)で2着となったポルトドートウィユの全弟。サンデーサラブレッドクラブで1億2000万円という価格は兄とまったく同じ。2代母エアグルーヴは年度代表馬に輝いた女傑で、近親にはアドマイヤグルーヴ、ドゥラメンテ、ルーラーシップなど多くの活躍馬が出ており、4分の3同血にグルヴェイグがいる。「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」というパターンはハープスターやキロハナと同じで、デビューした12頭中10頭が勝ち上がり、連対率は42.2%ときわめて優秀。「ディープ×トニービン」は馬がゆるく完成も遅くなる傾向があるものの、トニービンを1代下げて間に硬い血を挟むと、うまくバランスが取れて晩成傾向も改善される。クラシックの王道を歩む資格は十分。

ヤマカツサファイヤ(牝 栗東・池添兼雄 父マンハッタンカフェ、母ヤマカツマリリン)
 ニュージーランドトロフィー(GII)を勝ったヤマカツエース(父キングカメハメハ)の半妹。母ヤマカツマリリンは短距離路線で活躍し、OPクラスまで出世した。2010アンコールS(OP・芝1200m)ではサンダルフォン(北九州記念-GIII)のクビ差2着と健闘している。2代母イクセプトフォーワンダはVice Regent=ヴァイスリーガル3×4という全兄弟クロスを持つほか、「Deputy Minister+Bold Ruckus」という血統なのでルージュバック(14年きさらぎ賞-GIII)の母ジンジャーパンチと似ている。本馬はマンハッタンカフェ産駒なので、同じ父を持つルージュバックと配合構成が似ている。芝向きの中距離タイプで底力も十分。

ヨシノザクラ(牝 美浦・萩原清 父ディープインパクト、母アジアンミーティア)
 全兄に新潟大賞典(GIII)を勝ったダコール、半姉にファルコンS(GIII)3着馬ルシュクル(父サクラバクシンオー)がいる。母アジアンミーティアはUnbridled's Song(95年BCジュヴェナイル-米G1、96年フロリダダービー-米G1)の全妹にあたる良血で、仕上がり早のスピードを伝えている。母方にUnbridledを持つディープインパクトは走っており、全兄ダコールのほかダノンプラチナ、ダノンバラード、サイレントソニック、アンドリエッテなどが出ている。ダコールのあとに誕生したカレイドスコープ、ブロードキャストはいずれも未勝利だが、馬のデキひとつなので、本馬にはダコール級の活躍を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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