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エピファネイア越えを期待したいシーザリオの息子リオンディーズ

  • 2015年07月01日(水) 12時00分
アルーリングハート(牝 栗東・松田博資 父ダイワメジャー、母アルーリングボイス)
 Charming Storyにさかのぼる牝系は優秀で、本馬の母アルーリングボイス(05年ファンタジーS-GIII、05年小倉2歳S-GIII)、2代母アルーリングアクト(99年小倉3歳S-GIII)をはじめコンスタントに活躍馬を送り出している。やや一本調子で底力は欠くものの、パワー型の手堅いスピードを伝えているので、とくにダート短距離では確実性が高い。本馬の4分の3兄アーマークラッド(父アグネスタキオン)は芝・ダート兼用で現在1000万条件に在籍している。本馬の父ダイワメジャーは、息子よりも娘のほうが適性距離が短く、1200〜1600mあたりを得意とするものが目立つ。芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラーだろう。

オールプリュネル(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父ステイゴールド、母ディアウィンク)
 全兄ナカヤマフェスタは宝塚記念(GI)など3つの重賞を制覇したほか、凱旋門賞(仏G1)2着という快挙を成し遂げた。父ステイゴールドはメジロマックイーン牝馬とのニックスが有名だが、もうひとつ、母方にデインヒルを持ち、そこに含まれるRibot系の血を母方にクロスで持つパターンも成功している。本馬の全兄ナカヤマフェスタと天皇賞・春を連覇したフェノーメノがその代表だ。半姉ディアアレトゥーサ(父トーセンダンス)は福島記念(GIII)2着馬。母ディアウィンクはナカヤマフェスタを出しただけの一発屋ではなく、高い能力を秘めている。本馬は牝馬なので気性面の難しさが出なければ楽しみだ。

リオンディーズ(牡 栗東・角居勝彦 父キングカメハメハ、母シーザリオ)
 母シーザリオは現役時代にオークス(GI)を勝ち、太平洋を渡ってアメリカンオークス(米G1)を楽勝した名牝。繁殖牝馬としても優秀で、本馬の半兄エピファネイア(父シンボリクリスエス)はジャパンC(GI)を4馬身差で圧勝したほか、菊花賞(GI)、神戸新聞杯(GII)、ラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)などを制している。本馬の父キングカメハメハは非サンデー系の名種牡馬で、ディープインパクトに唯一対抗できるポテンシャルを秘めている。母シーザリオの初子トゥエルフスナイトですでに試みられている配合で、同馬は体質の弱さが原因で初出走が3歳秋と大幅にずれ込み、経験馬相手に芝1800mの未勝利戦を快勝して素質の高さを証明したものの、残念ながらこの1戦のみで引退を余儀なくされた。本馬はこの時期に馬名登録されたので体質は兄よりも強いのだろう。エピファネイアを越える活躍を期待したい。

ライクアストン(牡 美浦・久保田貴士 父ハーツクライ、母イスラコジーン)
 4分の3兄イスラボニータ(父フジキセキ)は皐月賞(GI)をはじめ重賞を4勝している名馬。母イスラコジーンはミセスリヴィアS(米G2・芝8.5f)2着、ハニムーンH(米G2・芝9f)3着などの成績を残した。本馬の父ハーツクライはジャスタウェイ、ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルト、ウインバリアシオン、アドマイヤラクティなど多くの活躍馬を送り出している名種牡馬。母方にCozzeneを持つハーツクライ産駒には、リフトザウイングス(10年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着)、セコンドピアット(12年フローラS-GII・5着)、シャドウウィザード(準OP)などがいる。父の血脈のなかでキーポイントとなる血はRevokedだが、本馬の母方にはこれと同じ「Blue Larkspur×Sir Gallahad」のBlue Gayという血が入る。代表産駒のジャスタウェイもBlue Gayを持っていたので注目できる。芝向きの中距離タイプ。

イリデッセンス(牝 栗東・佐々木晶三 父ダイワメジャー、母スペリオルパール)
 4分の3兄ラストインパクト(父ディープインパクト)は金鯱賞(GII)、京都大賞典(GII)、小倉大賞典(GIII)の覇者。母スペリオルパールは不出走だが、四冠を制覇し年度代表馬に輝いたナリタブライアン、同じく年度代表馬のビワハヤヒデの半妹にあたる良血。近親にはファレノプシス(98年桜花賞-GI、98年秋華賞-GI、00年エリザベス女王杯-GI)、キズナ(13年日本ダービー-GI、13年ニエル賞-仏G2など重賞5勝)がいる。勢いのあるファミリーと、2歳戦で快進撃を続けるダイワメジャーの組み合わせなので注目してみたい。芝向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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