今回は強引に絡んできそうな馬のいない組み合わせである
盛り返してきた4歳
ネロ(父ヨハネスブルグ)のスピード能力に期待する。オープンランクだった2歳時は期待通りのスピードを発揮したが、3歳時は【0-0-0-6】。やっぱり完成度の早さが売りで、成長力は乏しい死角を露呈したように見えたが、4歳の今年、中山の芝1200mで連続2着のあと、新潟1000mを54秒6(22秒7と抑えて進み、後半600m31秒9の完璧バランス)で快勝。そのあと、盛り返したオ−プンでも54秒8を記録して2着。今週の栗東坂路で「49秒5-12秒6」を馬なりで計時するほど活気を取り戻してきた。
母は、スプリンターズSなどG1を3勝もしたニシノフラワーの半妹で、サンデーサイレンス産駒。完成度の高いスピード系の父ヨハネスブルグの特徴を受けていると同時に、名牝系にサンデーサイレンスを得たファミリーの活力も受けているのである。
父ヨハネスブルグ(その父ヘネシー、祖父ストームキャット)の日本での種付け頭数は、2010年から順に、「117頭、37頭、23頭、24頭、153頭…」という不思議な推移だが、これは2年目から同じ軽種馬協会の静内種馬場にエンパイアメーカー(2011年、12年と連続して交配数200頭以上)が導入されたのと、初年度の人気で種付け牝馬の条件が微妙に変わったためではないかとされ、種牡馬ヨハネスブルグ自身の評価や人気が急落したためではない。
ヨハネスブルグはたしかに2歳戦の成績が良すぎるため(2013年の新種牡馬ランキングは断然の1位)、早熟性が目立ちすぎるようなところがあるが、イギリス、アイルランド、フランス、USAと移動して2歳時は7戦【7-0-0-0】。ダートで勝ったのは米BCジュヴェナイル8.5Fだけであり、ベストにしたのは芝1200mだった。
ネロは3走前の中山芝1200mで「33秒4-34秒0(最後11秒7)」=1分07秒4という素晴らしいバランスラップで坂上から差し返している。
この父系だから、平坦に近い福島ならもっと粘りが増す可能性が高く、また、今回は強引に絡んできそうな馬のいない組み合わせである。逃げ切り濃厚だろう。
追っての鋭さで上回る4歳牝馬
フォーエバーモアと、この頭数なら直線一気で連対は可能と思える
ユキノアイオロスが相手本線。手を広げる組み合わせではないが、連闘での勝ち星があり、芝1200mに1分08秒0のある
サウスビクトルを相手の伏兵に加えたい。