有終の美は飾れなかった。ラストランの
マツリダゴッホは自分の“型”を貫き、4角手前からスパートをかける積極策。だが直線半ばで失速し7着に敗れた。蛯名は「いい形で運べたと思ったが、最後はバタバタになってしまった」とやや腑に落ちない表情。国枝師は「少し(追い出す)タイミングが早かったかな」と分析しつつも「残念だが、ここまでよく頑張った」と07年覇者をたたえた。今後はいったん美浦へ戻り、年明けに北海道のレックススタッドへ移動、種牡馬生活に入る。
直線一気の競馬で3着に入ったのは、8歳馬
エアシェイディ。道中は最後方を追走し、直線勝負で昨年と同じく銅メダルを獲得した。後藤は「この馬の感性を信じて乗った。3コーナーからドリームを目標にしたが、最後はいい伸びを見せてくれた」と満足顔。伊藤正師も「きょうは全力を出してくれた。来年はもっと強い馬にしたい」と現役続行に意欲を見せた。
菊花賞馬を悲劇が襲った。中団を進んだ
スリーロールスは向正面で故障を発生して競走中止。期待されたGI連覇の夢は散った。「歩様が乱れたから止めたんだけど…。馬が無事で、早く治ってくれるといいんですが」と浜中は涙を浮かべながら状況を説明した。診断の結果は左前浅屈腱不全断裂。過去のケースを見る限り、現役続行は厳しい状況と言えそうだ。
提供:デイリースポーツ