ラストランへ、悔いのない仕上がりだ。
アルティマトゥーレは金曜、午前9時に美浦南の角馬場へ登場。時間をかけて体をほぐしてからPへ移動した。テンにやや行きたがるしぐさを見せたものの、すぐに我慢が利いたことが目下の体調の良さを物語る。じっくりと1F17秒程度のラップで1周。レースに向けての生涯最後の馬場調教を滞りなく完了し、奥平師はホッとした表情を見せた。
利口ゆえに、気持ちのスイッチの切り替えが難しい。“ON”になってカリカリし始めると「それこそ瞬く間、1週間で仕上がるほど」だと師はいう。GIだから、引退レースだからといっても攻め過ぎないことを基本に、調教のさじ加減を誤ることなく、中間は丹念に調整を重ねてきた。態勢はきっちり整っている。
「追ったあとも歩様がいいし、この馬は自分で体をつくるからね。万全で臨めると思います」。GI初挑戦で1番人気に支持された、昨秋の
スプリンターズS5着から着実に成長。正攻法で有終の美を飾ってみせる。
提供:デイリースポーツ