この馬が“出る”“出ない”で、淀の景色がガラリと変わってくる。それほどまでに、
ホクトスルタンの存在は大きい。賞金順では補欠4番目で除外対象だったが、上位馬の回避でギリギリ18番目で出走が可能に。「とにかく無事に出られることが何より」と庄野師は安どの表情を浮かべた。
夢の親子4代制覇へ、“芦毛伝説”の継承者として、このチャンスをモノにしたい。
「4代となるとすごいことだと思う。メジロ牧場さんが昔から大事にしてきたことで、先輩の調教師さんがやってきた。自分自身もその瞬間を見てみたい。参加させてもらえただけでも光栄です」。偉業達成へ、若き指揮官は静かに闘志を燃やす。
当初は逃げ馬不在と言われていた盾も、スルタンの参戦で様相が一転。指揮官も小細工する気はさらさらない。「脚質もペースもバレバレですからね。とにかく自分の競馬に徹するだけです」。年齢を重ねるごとに渋みを増すステイヤーの血。最終切符を手にした“白い逃亡者”の走りに目が離せない。
提供:デイリースポーツ