「第15回
NHKマイルC・GI」(芝1600m)は9日、東京11Rに18頭で争われ、後方3番手から一気にスパートをかけた1番人気
ダノンシャンティが、メンバーただ1頭、33秒台の上がりを駆使し、5番人気
ダイワバーバリアン(2着)に1馬身半をつける完勝劇。GI初制覇を飾った。勝ち時計は、
ゼンノエルシド(01年
京成杯AH)の日本レコードをコンマ1更新する1分31秒4。3着は1馬身差で3番人気
リルダヴァル。2番人気
サンライズプリンスは、粘り込みを図ったが、後続にのみ込まれて4着に敗れた。
「馬に任せたら、あの位置になった。枠順も外だったし、瞬発力があるから、スムーズに回れれば届くと思った」と安藤勝。内側が有利な馬場状態など関係ないとばかり、大外から豪快に他馬をかわし去った。
テンションが高く、ゲートにも不安がある。中間は精神面の課題をクリアすることに重点を置いた。前走の
毎日杯は2週連続の併せ馬で仕上げ、今回はテンションが上がらないようにソフトに。松田国師も満足げに振り返る。「
サンデーサイレンス系の馬は、1回仕上げておけば、もう余計なものがつかない。
毎日杯後も無事にこられたし、調整は楽だった」。そして描いた通りに、GIタイトルをモノにした。
ダービーでの2冠獲りへ大きく弾みをつけた。
NHKマイルCからダービーへと進む路線を切り開いた第一人者、指揮官は「
フジキセキの根性と母系の
シングスピールから受け継いだ長い距離を走れる体形。両方のいいところを持っている」と期待に胸を弾ませる。戦前は2400mの距離に不安を抱えていた主戦も「きょうの感じなら、こなしてくれると思う。ただ、今年は相手もそろっているし、挑戦する立場で」と慎重な姿勢ながらも手応えを口にした。変則2冠へ、厩舎の先輩が刻んだVロードを力強く歩む。
提供:デイリースポーツ