秋のGIシリーズ開幕戦「第44回
スプリンターズS・GI」(芝1200m)は3日、中山11Rに16頭で争われ、押して先手を奪った10番人気の外国馬
ウルトラファンタジーが、そのまま押し切りGI初制覇を飾った。2着は3番人気の
キンシャサノキセキ、3着は7番人気の
サンカルロが入った。なお、
ダッシャーゴーゴーは2位入線も、直線で
サンカルロの進路を妨害したとして4着に降着となった。もう1頭の香港馬グリーン
バーディーは1番人気に支持されたが、末脚不発に終わり7着に敗れた。
GI未勝利の
ウルトラファンタジーが、540キロの巨漢を揺らしながら歓喜のゴールへ飛び込んだ。自身もGI初勝利の鞍上・ライはVに至るまでの心境を振り返る。「馬場が湿ったら駄目な馬。最初は天気のこともあったし、どうしようかと。でも日に日に天候が良くなった。返し馬で馬も落ち着いていて、“これは行ける”と思ったんだ」。まだあどけなさの残る26歳は今回が初来日。「最後は“神様”という感じ。勝った時は“きょうはオレの日だ”って思った」と異国の地で屈託のない笑みを浮かべた。
「初来日でこれ以上ない喜びだ。ゴール前は上下に飛び上がっていたよ」と歴史的Vにイウ師は胸を張る。師は世界的ス
プリンターの
セイクリッドキングダムも管理。いわば第二勢力が制したのだから、再来日を視野に入れるのは当然だろう。「
セイクリッドも来年、来られるように」と“2頭出し”をにおわせれば、ライも「また騎手として日本に戻りたい」と意欲を燃やす。層の厚さを見せつけた香港勢。円高の日本は最高の稼ぎ場だ。
提供・デイリースポーツ