名手も納得のフットワークだ。
ローズキングダムは栗東坂路で
キラウエア(4歳1000万下)と併せ馬。やや水気を含んだチップを力強く蹴散らし、鞍上の合図でしまいを俊敏に伸ばして0.1秒先着。4F52.8-38.6-13.1秒と、馬場の荒れ具合を考慮すれば上々の時計をマークした。
またがった
武豊は「馬場は重かったけど、いい動き。昨秋から乗せてもらっているが、ずっと安定していいですね」と満足げな表情を浮かべる。見届けた橋口師も「いつも通り。変わりない」と穏やかな口ぶりだった。
仕切り直しだ。昨年末の
有馬記念は枠番発表後にセン痛を発症して、無念の回避。
ジャパンCを制した勢いがそがれる格好になったが、指揮官はこの一頓挫を全く不安視はしていない。「いまや日本を代表する馬。有馬にはいい加減な状態では使いたくなかっただけ。(セン痛の)痛みは1時間ほどで引いたし、その後は全くどうということはない。翌朝にはカイバをねだっていたぐらいだからね。3日後には坂路に入ったよ」。後遺症は皆無。それは活気のある追い切りの動きからも一目りょう然だ。憂さ晴らしとばかりに、暴れまくる準備は整っている。
唯一、師が気にしたのはトップハンデ(58キロ)だ。「心配ではあるよ。そんなに大きくない馬だから、ずっしりとくる。ただ、今後は58キロとかを常に背負っていかないといけない。気掛かりはあると言いつつも、この馬の力を信じたいね」。自らの道を切り開くためにも、GI馬の地力を再度証明するのみだ。
提供:デイリースポーツ