JRA広報担当の小畠薫理事は「節電に最大限の協力をしなければならない状況、計画停電の時間がはっきりとしないなかで公正な競馬が確保できるのか、また公共交通機関の乱れでお客様の足への影響が生じる恐れもある」と、今月いっぱいの中山競馬開催を断念した理由を説明した。さらに「同じような判断をすることになると思う」と、東京電力管内のウインズなどでは阪神、小倉競馬の馬券発売も行わない予定も明かし、そのうえで発売要項を発表するとした。
15日は東西トレセンで特別登録が行われたが、中山競馬の開催中止が早朝に発表されたことで、
皐月賞トライアルの
若葉Sが最終的に49頭、先週は23頭だった
桜花賞トライアルの
フィリーズレビューが40頭と登録が殺到。厩舎サイドの要望もあり、中山で行われる予定だった3歳牡牝の重賞、
フラワーC、
スプリングSを26、27日の阪神へ移設して行うことが特別登録受付時間中の11時45分に発表された。
一方で「本番まで中1週となるレースに優先出走権を付与するのはどうか」(小林哲也競走部企画課長)と、
桜花賞トライアルの
アネモネSは中止されることに。21日に行われる予定だった
中山牝馬S、26日の
日経賞、27日の
マーチSの施行時期も決定していない。
小畠理事は4月以降の開催について「開催に向けての条件がそろうのかを見極めて判断したい」と話したが、4月17日の
皐月賞など関東GIレースの移設の可能性については「現状ではそこまで考えることができていない」と厳しい表情を見せた。春GI開幕を控え、
JRAの苦悩は続く。
提供:デイリースポーツ