ムーンか、メジャーか、サムソンか、伏兵か…。サンデー産駒が強いこのレースを、血統予想家・望田潤が徹底分析。血統屋の見解はいかに!?
傾向と対策
ミスプロ×サンデー×パワーのA級配合
07宝塚記念
優勝馬 アドマイヤムーン
サンデー系とミスプロ系の配合は柔らかさやしなやかさに特長があり、あとは強じんなパワーの血を補強してやると、サイレンススズカやゼンノロブロイやラインクラフトのような一流馬が出る。
アドマイヤムーンは父がミスプロ系エンドスウィープで母の父がサンデー。3歳時は天性の柔らかさと俊敏さで走っていたが、古馬になってヒシアマゾン牝系のいかついパワーが表出してきて、体つきが逞しくなり、早めに抜け出して地力でねじ伏せるような競馬ができるようになった。昨年も◎にしたが、完成期を迎えた今年は期待に応えてくれるだろう。
高齢でも衰えないHyperionの粘り
07安田記念
優勝馬 ダイワメジャー
ダイワメジャーも若い頃はアメリカンなスピードにまかせて走っていたが、年を食って母のHyperion4・5×6の粘り強さで走るようになった。毎日王冠は出し抜けのような差され方をしたが、相手とみた2番人気ブライトトゥモローにはいつものように競り勝っており、ことさら衰えを感じさせる内容でもなかった。昨年ぐらいは走れるのではないか。
エアシャカールと似た配合で2000mベスト
マツリダゴッホはナリタトップロードの甥だが、血脈構成はエアシャカールによく似ている。一瞬の切れは非凡で2000mはベスト。ただシャカールのイメージや重心の高い走りからすると、東京よりは中山向きなのかもしれない。
ローゼンクロイツはローズバドの全弟で、母にMill ReefとSecretariatが入るので東京向きの斬れ味がある。無欲で末脚に賭ければ面白いが、これまで関東圏のレースで実績がないのは気がかり。
メイショウサムソンは母に柔らかなNasrullah血脈が入り、自身はWild Riskのクロスだからテイエムオペラオーと似たコンセプトの配合だが、母系のスピードの質では見劣る。エリモエクスパイアに大苦戦した春天を見てのとおり、京都の良で斬れるというよりは阪神の稍でマクる馬だ。東京の良では斬れ味で一歩譲るので、ポップロックともども雨が欲しい。
チョウサンはダンスインザダーク×サッカーボーイだからツルマルボーイと同じ配合だが、祖母の血の関係でこちらのほうが体型はマイラーっぽい。2000mに距離が延びるのはプラスとはいえないだろう。
ブライトトゥモローはBe My Guestの重々しさが発現してきて、今は1800mよりも2000mがベターだろう。斬れと粘りを兼備した優等生だが、GIレベルで通用する武器は持たないので、一発大駆けの魅力はあまり感じない。
アグネスアークはコイウタと父系・母系が同じだが、サンデー×Lyphard×スピードという配合形はメイショウオウドウやロサードと同じで、大一番で強い血統ではない。
望田 潤
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66年生まれ。育成牧場従業員を経て92年〜02年まで競馬通信社編集部に在籍。現在はフリー。主な著書に「スペシャルウィークのつくり方」(宝島社)。大阪日刊スポーツに「GI血統ナビゲート」を連載中。
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