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有力馬情報
 秋の古馬3冠を目指すゼンノロブロイ、悲願の中央G1制覇に挑むコスモバルク、菊花賞に続くG1制覇を狙うデルタブルース、久しぶりの芝G1でシンボリルドルフ、テイエムオペラオー超えを狙うアドマイヤドンなど、今年の有馬記念は有力馬が多数。このコーナーでは、有馬記念出走予定馬の中から6頭をピックアップし、1頭1頭詳しく解説、分析していきます。

アドマイヤドン
アドマイヤドン
1999年生 牡5 鹿毛
父ティンバーカントリー
母ベガ
(母の父トニービン)

馬主:近藤利一
騎手(予定):安藤勝己
調教師:栗東・松田博資

通算成績21戦10勝
(うちG1・7勝)

【主な戦績】
01年朝日杯FS(G1)1着
04年フェブラリーS(G1)1着
04年JBCクラシック(交流G1)
【史上初のG1・8勝目なるか】
 ダート王者が久しぶりに芝舞台に戻ってくる。前走のジャパンCダート(G1)こそ2着に敗れたが、ダートG1・6勝は並みの馬では達成できない偉業。しかも忘れてならないのが、01年の朝日杯フューチュリティS(G1)勝ち馬であること。翌年のクラシック戦線では、皐月賞7着、日本ダービー6着、菊花賞5着と、不本意な成績に終わったが、同年の札幌記念(G2)では3歳馬ながらテイエムオーシャン(桜花賞-G1)、トウカイポイント(マイルCS-G1)、コイントス(有馬記念-G1・3着)から僅差の4着。クラシック戦線でも距離が延長されるに従って着順を上げており、不安視されるスタミナ面も問題ないはず。

 近走の傾向としては、スタートが出遅れ気味で以前のように好位での競馬が出来ない点。ただ今回は距離が2500mだけに、スタートで若干遅れても、前の馬を壁にして逆に折り合いが付きやすくなる可能性がある。交流重賞やエルムS(G3)を連覇しているところから、小回りコースへの適性は十分。実際に01年の朝日杯では、狭い最内をこじ開けるように抜け出して快勝している。調教で調子の良さが判断できないタイプだが、前走のように併走馬に大きく遅れることは避けたい。10月末に急死した兄アドマイヤベガに捧げる勝利となるか。

[地]コスモバルク
コスモバルク
2001年生 牡3 鹿毛
父ザグレブ
母イセノトウショウ
(母の父トウショウボーイ)

馬主:岡田美佐子
騎手(予定):五十嵐冬樹
調教師:北海道・田部和則

通算成績13戦7勝

【主な戦績】
04年セントライト記念(G2)1着
04年皐月賞(G1)2着
04年ジャパンC(G1)2着
【悲願のG1制覇へ】
 前走のジャパンC(G1)では巧く折り合いを付けて2番手からの競馬。直線では一旦3番手に後退したが、ルメール騎手の叱咤に応えるとゴール前で2着に盛り返した。精神力の強さだけでなく、特に気性面の成長がうかがえるレース内容だった。その証拠が、前走で初めて落ち着いた返し馬ができたこと。同じ舞台で行われた日本ダービー(G1、8着)時は、大観衆の歓声に反応したのか、終始掛かり通しの返し馬で、レースでの折り合いの危うさを予感させた。2走前の菊花賞(G1、4着)時は、敢えて返し馬を行わない作戦に出るなどしていたが、前走のジャパンCではこれまでと一変して落ち着いた姿を見せてくれた。今回は弥生賞、セントライト記念(共にG2)を制すなど相性の良い中山競馬場。最大のチャンスが到来した。

 また、今回は北海道には戻らず大井競馬場で調整を行っている。これで、懸案だった長距離輸送の負担が軽減されることは間違いない。ただし、これまではビッグレッドファームの坂路で鍛えられていただけに、坂路のない大井競馬場での調整が必ずしもプラスになるとは限らない。当日、落ち着いた姿でパドックに登場したならば、悲願の中央G1奪取が現実味を帯びてくる。
【参考:コスモバルク調教レポート】

ゼンノロブロイ
ゼンノロブロイ
2000年生 牡4 黒鹿毛
父サンデーサイレンス
母ローミンレイチェル
(母の父マイニング)

馬主:大迫忍
騎手(予定):O.ペリエ
調教師:美浦・藤沢和雄

通算成績14戦6勝
(うちG1・2勝)

【主な戦績】
04年天皇賞・秋(G1)1着
04年ジャパンC(G1)1着
03年有馬記念(G1)3着
04年天皇賞・春(G1)2着
【史上2頭目秋G1・3連勝へ】
 天皇賞・秋、ジャパンC(共にG1)を制し、完全に本格化したゼンノロブロイ。厩舎の先輩シンボリクリスエスが果たせなかった天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念の制覇に挑む。前走のジャパンCは、2400mの距離不安を一蹴する3馬身差での圧勝。ペリエ騎手も完全に手の内に入れているようで、今回もしっかり乗ってくるに違いない。中山芝は[1-2-2-0]と、3着以内を外したことのない得意なコース。同じコース・距離で行われた日経賞(G2)こそ圧倒的な1番人気ながら2着に敗れたが、あの時は休み明け。順調に使われ、きっちりと結果を残している今なら、そう簡単に凡走するとは考えにくい。

 問題はタップダンスシチーが主導権を握るであろうペース。宝塚記念のような、平均ペースでのロングスパート戦にはやや不安が残る。昨年の有馬記念も、ハイペースの流れを3角からリンカーンが一気に先頭に立つ流れに対応できず3着。今年の宝塚記念も、タップダンスシチーのペースに対応できず4着に敗れている。スローの決め手勝負ならば右に出る馬はいないだろうが、今回のメンバー構成からして、スローは考えにくい。その意味では、本格化したゼンノロブロイの真価が問われるレースになりそう。秋のG1・3連勝したのは、00年テイエムオペラオーただ1頭と、非常に困難な道。ただ、栄光の先には年度代表馬の称号が待っている。
【参考:藤沢和雄調教師インタビュー】  

タップダンスシチー
タップダンスシチー
1997年生 牡7 鹿毛
父Pleasant Tap
母All Dance
(母の父Northern Dancer)

馬主:友駿ホースクラブ
騎手(予定):佐藤哲三
調教師:栗東・佐々木晶三

通算成績36戦11勝
(うちG1・2勝)

03年ジャパンC(G1)1着
04年宝塚記念(G1)1着
04年金鯱賞(G2)1着
【引退レースを有終の美】
 予定外の日程となった凱旋門賞(仏G1)こそ17着に敗れたが、グランプリ連覇の権利を持っているのはこの馬だけ。今年は59キロを背負った金鯱賞(G2)を快勝し、1番人気に支持された宝塚記念(G1)では、3角手前で先頭に立つと後続を寄せ付けずに圧勝した。今回1番人気が予想されるゼンノロブロイには3馬身差をつけている。7歳になった今年も衰えは感じさせず、また今回が今年4戦目と非常に余力を残したローテーションも好感だ。一連の秋G1には出走しておらず、春の実績を考えると、実力No.1はこの馬の可能性が考えられる。

 昨年の同レースでは、スタートで後手を踏んだ上に、ザッツザプレンティなどが暴走した乱ペースに巻き込まれて8着に惨敗。しかしその背景には、降雪を考慮して2日前(通常は前日)に中山競馬場に入厩せざるを得ない事情があった。一昨年、シンボリクリスエス相手にあわやの2着を演じているのを忘れてはいけない。海外帰りの1戦だけに調整具合が心配だが、直前の動きがレースと直結するタイプ。追い切りの動きが良ければ、グランプリ連覇も可能だ。

デルタブルース
デルタブルース
2001年生 牡3 鹿毛
父ダンスインザダーク
母ディクシースプラッシュ
(母の父Dixieland Band)

馬主:サンデーレーシング
騎手(予定):未定
調教師:栗東・角居勝彦

通算成績12戦4勝
(うちG1・1勝)

【主な戦績】
04年菊花賞(G1)1着
04年ジャパンC(G1)3着
【世代交代へのチャンス】
 8番人気で迎えた菊花賞(G1)では、4角先頭から押し切りG1初制覇。前走のジャパンC(G1)では、スタートで後手を踏んでしまい4角まで後方のままだったが、直線は馬群を縫うようにして追い込み3着。ここ2走は両極端な競馬になっているが、この馬の地力強化がうかがえるレース内容だ。この経験から、ペース次第では自在に位置取りが出来そう。タップダンスシチーが先頭に立つ流れであれば、スタミナ勝負になるケースが多く、この馬には絶好の展開になりそうだ。

 問題は体調面だろう。プラス10キロの馬体重で菊花賞を制し、前走のジャパンCでは一転してマイナス12キロ。今回も輸送があるだけに、馬体重の大幅増減には注意したい。また、菊花賞→ジャパンC→有馬記念というローテも不安。昨年は菊花賞(1着)→ジャパンC(2着)とほぼ同じ戦跡で臨んだザッツザプレンティが有馬記念では11着に惨敗した。それ以降では、84年シンボリルドルフまで遡らなければ同じローテの3歳馬がいないのだが、そのシンボリルドルフは、菊花賞(1着)→ジャパンC(3着)から有馬記念を勝っている。前走の反動なく、順調に乗り込めていれば、20年振りの快挙も夢ではない。

ヒシミラクル
ヒシミラクル
1999年生 牡5 芦毛
父サッカーボーイ
母シュンサクヨシコ
(母の父シェイディハイツ)

馬主:阿部雅一郎
騎手(予定):角田晃一
調教師:栗東・佐山優

通算成績25戦6勝
うちG1・3勝

【主な戦績】
02年菊花賞(G1)1着
03年天皇賞・春(G1)1着
03年宝塚記念(G1)1着
【4度目のミラクルは?】
 昨年の京都大賞典(G2)2着後に右前脚繋靭帯炎を発症し、長期休養入りしていたヒシミラクル。約1年振りの復帰戦となった天皇賞・秋(G1)は京都大賞典と同じ馬体重で出てきたが、パドックでの馬体には良い頃の張りがなく、叩いてからと思わせた。そして迎えたジャパンC(G1)では、今までの後方待機策から一変して、道中はコスモバルクの直後に位置取り、4角では一旦先頭に立とうかという積極的な競馬。坂上で失速し9着に敗れたが、1着とは1.4秒差で天皇賞・秋の3.8秒差からは着実に詰めてきた。中身を見ると、天皇賞とは馬場の違いはあるにせよ、前半の1000m通過61.7秒-上がり3ハロン37.8秒の天皇賞に対し、ジャパンCは60.6秒-36.2秒と、非常に濃い内容。次こそはと思わせる内容だ。

 デビューから7戦連続で勝ち切れず、休養明け3戦目(デビューから10戦目)で初勝利を挙げた典型的な叩き良化型。昨年の天皇賞・春(G1)も、阪神大賞典(G2)12着、産経大阪杯(G2)7着からの叩き3戦目で制覇している。菊花賞、天皇賞・春、宝塚記念(全てG1)と、3度のG1制覇はレースの上がり3ハロンが35秒以上かかったスタミナ戦。今回はメンバー構成からスローは考えにくく、得意の持久戦に持ち込めるチャンス。あとは、これまでの勝ちパターンである3角からのまくりが、小回りの中山2500mでできるかどうかだ。

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