|
サラブレッドに半永久的に求められるスピードとスタミナ。配合から調教へとホースマンは探求し続けてきた。もしも両方を兼ね備えた究極の馬が完成されれば、無敵だ。タップダンスシチーがサイレンススズカのレコードを更新した金鯱賞は、衝撃的だった。続く宝塚記念での独走に、鳥肌が立った。しかし、いつからか“海外遠征帰りの馬は好走できない”という悲しい定説が生まれていた。その理由は、検疫規定による制約で、約1ヶ月間は、思い通りの調教が組めない大きな理由がある。有馬記念の1ヶ月前に栗東に帰厩。2週前追い切りの際、中原厩務員のジャッジは辛口だった。
「この馬らしい、手足をグッと宙に伸ばすフォームが戻っていないんです。時計は出たようですが…」
ついにレースまで、あと数日。短期間で6本目の追い切りが消化された。
「こんなケースで競馬に臨むのは、初めてですね。この馬の根性をレースで出して欲しい。それにジョッキーがどんな競馬をしてくれるのか、今回はそれが楽しみです。あとは、これで(水曜追い)どこまで変わってくれるのか、祈るだけです」
有馬記念は夢のグランプリ競走。今まで多くの感動を与えてくれた異端児タップと、再生し開花させてくれた佐藤哲三騎手。今回の挑戦も心から応援させて頂きます!(新井智映子)
|