五十嵐冬樹騎手インタビュー
コスモバルク国際G1制覇の秘話、ホッカイドウリーディングジョッキーの悩みとは? 競馬総合チャンネル 地方競馬コース『井上オークスの地方見聞録』から五十嵐冬樹騎手のインタビューを特別無料公開!(取材日:06年6月)

■悩めるリーディングジョッキー
- 井上:
- そういえば、シンガポール遠征にあたって、現地の食べ物が合うかどうか心配なさっていたそうで?
- 五十嵐:
- ええ。以前ハワイへ行ったときも、ダメだったんですよね。味つけの問題じゃなくて、たとえば日本で食べてるのと同じような野菜でも、口に入れた途端に「ウッ」と来ちゃうんですよ。
- 井上:
- あちゃー。
- 五十嵐:
- だからハワイでは、唯一大丈夫だったバナナだけを食べてました(笑)。
- 井上:
- そんなバナナ! デリケートなんですね。
- 五十嵐:
- まあ、食わず嫌いなところもあるんですよね。こっちで外食をするときは、焼肉か寿司か居酒屋しか行かないから(笑)。
- 井上:
- じゃあ、シンガポールでもバナナ生活?
- 五十嵐:
- いえ、関係者の方にイタリアンのお店に連れて行っていただきました。「どうかなー?」って半信半疑だったんですけど、イタリアンは意外と食べられたんですよ。
- 井上:
- ホッ。国際G1制覇という快挙の裏で、そんな苦労があったとは!
- 五十嵐:
- いやー、食べられてよかった。まあ、余談ですけどね(笑)。僕は乗り役のなかでも体重が軽いほうなんですよ。減量することは全くないんです。逆に増やしていかないと、鞍が重くなってしまう。
- 井上:
- そっか、体重が軽いと、鞍にたくさん重りを詰めなきゃならないから。
- 五十嵐:
- そうなんです。だから競馬の前は、できるだけ食べておかないと。こんな話をすると、減量で苦労されている乗り役さんに怒られるんですが。女性にも怒られるでしょうね(笑)。
- 井上:
- ホントに(笑)。
- 五十嵐:
- こんなこというと、また怒られるかもしれませんが…。僕はごはんを食べることが好きじゃないんですよ。
- 井上:
- なんですとー!
■騎乗馬を間違えた!
- 五十嵐:
- できれば食べないで寝てしまいたいんです。だけどそれじゃ、体重がどんどん減っていってしまう(笑)。
- 井上:
- 食欲より睡眠欲なんだ…。夏場は特にお忙しいですよね。平日はホッカイドウ競馬で騎乗して、土日は中央競馬に参戦して。
- 五十嵐:
- 7月4日から旭川でナイターレースが始まるんですけど、最終レースが終わるのが8時40分。それから道具を片づけて風呂に入って、眠気と戦いながらメシを食ったりしているうちに、だいたい寝るのが10時とか10時半とかになるんです。で、翌朝3時から攻め馬ですからね。
- 井上:
- 4〜5時間しか寝られない!?
- 五十嵐:
- いつ寝るの? って話ですよね(苦笑)。だから、疲労をなくすことを最優先にしたいんです。
- 井上:
- ごはんを食べる時間を睡眠に充てたくなる理由がわかりました…。調教は何頭くらいつけているんですか。
- 五十嵐:
- 10頭以上の調教をつけています。で、騎乗レース数の多い日なんかは、「あれ? 次、どの馬に乗るんだっけ?」っていうときもあります。
- 井上:
- ひゃあ。
- 五十嵐:
- 前の晩に調整ルームで、専門紙とかをできる限り読んではいるんですけどね。それでも、たまに乗る馬を間違えてみたり。
- 井上:
- えーっ!
- 五十嵐:
- 余裕がないときは、パドックの控え室にいるときでも、レース展開なんかをあれこれ考えるんですよ。考えているうちに、何番の馬に騎乗するのか忘れる。
- 井上:
- (泣)。
- 五十嵐:
- パドックで整列して、「乗馬!」の号令がかかって走っていくんですけど…違う馬にたどりついてしまったことが、何度かあるんですよ。
- 井上:
- (堪えきれず)わはは!
- 五十嵐:
- お客さんも笑います(笑)。跨ったらわかるんですけどね。


