田部和則調教師インタビュー
“コスモバルクを最もよく知る男”に直撃! 厩舎でのバルクの様子は? 競馬総合チャンネル 地方競馬コース『井上オークスの地方見聞録』から田部和則調教師のインタビューを特別無料公開!(取材日:06年6月)

■すごい馬になっていたバルク
- 井上:
- コスモバルクも、とうとうG1を獲りましたね。シンガポール航空国際C(5月14日、クランジ競馬場、芝2000m)制覇、おめでとうございました!
- 田部:
- すごいことをやってくれましたね。いやー、天国と地獄を味わいました。
- 井上:
- まず“天国”のお話から伺いたいんですが、レース前のバルクの状態はいかがでしたか?
- 田部:
- レースの2日前、シンガポールの検疫所で見たとき、すごい馬になっていたんですよ。
- 井上:
- わっ。
- 田部:
- 体に張りがあって、毛ヅヤも素晴らしくて。「これはもう、体調は万全だな」と思いました。バルクに帯同してくれた榎並くん(榎並健史調教厩務員)が、一生懸命やってくれたんですね。
- 井上:
- 4月末に美浦に入って出国の検疫を受けて、5月の初めにシンガポール入り。長距離輸送のダメージもなく、万全の体調ですか。それに、常夏のシンガポールは気温が30度を超えるというのに!
- 田部:
- 4月なんて、まだ北海道は10度あるかないかだったのにね。大概の馬は、急に暑いところへ行くと逆毛が立って醜いような毛並みになると思うんです。なのにあの毛ヅヤでいられるってことは…もう、すごい馬ですね。
- 井上:
- 環境適応能力がずば抜けてるのかな?
- 田部:
- すぐ対応しちゃうんですね。そして、あんな返し馬は初めてだったんですよ。
- 井上:
- むむ?
- 田部:
- 中央初挑戦の百日草特別(03年、東京、1着)のときはおとなしかったんですが、それ以降は常に自分からハミを取ってガンガン行ってたんです。だけどシンガポールでは返し馬でまったく掛からずに、リラックスしてゲートまで行きましたからね。
- 井上:
- どうしてリラックスできたんでしょう。
- 田部:
- いつもそうなんですけど、装鞍所で鞍を置いているときなんかはおとなしいんです。だけど地下馬道に入ると入れ込んじゃう。地下馬道では半端じゃないですよ。ふたりで引いていても、持っていかれちゃいます。
- 井上:
- あっ、クランジ競馬場には地下馬道がないんだ!
- 田部:
- そうなんですよ。パドックから、お客さんの前を通ってコースに出るんです。それで入れ込まなかったんでしょうね。


