2005 JBC特集

“ダート競馬の祭典”JBCクラシック&JBCスプリントを徹底特集

netkeiba.com > 2005JBC特集> 『夫婦騎手』宮下瞳&小山信行

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特別インタビュー

特別インタビュー
◆宮下瞳騎手&小山信行騎手
宮下瞳騎手&小山信行騎手
“名古屋競馬の看板娘”といえば、宮下瞳騎手。今年7月に、女性騎手の最多勝日本記録である351勝を達成。その後もどんどん勝ち星を伸ばしています(10月12日現在、372勝)。今回は、宮下騎手と、彼女の生涯の伴侶であり、ライバルでもある小山信行騎手をお招きして、いろんなお話をうかがっちゃいました。題して、「めおとジョッキー対談」だ!

(聞き手・構成…井上オークス)

――史上初の「めおとジョッキー対談」でございます。

宮下小山 「よろしくお願いします(笑)」

――おふたりが騎手を志したきっかけは?宮下騎手は、馬産地・鹿児島のご出身ですよね。

宮下 「ええ。うちでも、祖父がポニーを飼っていました。その馬の世話をしたり、近所でやっていた草競馬に乗ったりしているうちに、自然と騎手に憧れるようになりました。それと、兄が名古屋競馬の騎手をやっていたことも大きいですね」

――小山騎手は、大学を卒業されているとか。騎手を目指す方は、中央・地方に関わらず、中学校を卒業してすぐ競馬学校に入学する人がほとんどだと思うのですが。

小山 「大学の馬術部に入部して、初めて馬に乗ったんですよ。それからですね。馬の世界に興味を持ち始めたのは」

――遅咲きのホースマンなんですね。

小山 「それでだんだん、『馬に関わる仕事に就きたい』と思うようになって。最初は北海道の牧場に就職することが決まっていました。そんなときに、競馬場の関係者に『そんなに馬が好きなら、騎手になったら?』って言われたんですよ。で、地方競馬の騎手過程の試験を受けてみたら合格したので、騎手になりました」

――小山騎手のデビューは1992年。宮下騎手のデビューは3年後の1995年。全く違う出発点から騎手を目指し、名古屋競馬場でめぐり遭ったおふたりですが、なれそめを教えてくださいますか。

小山 「最初は騎手仲間と、みんなでごはんを食べに行ったりしていました。そのうち、なんとなく…(照)」

宮下 「ホントに、みんなで出かける機会が多かったんで(笑)」

小山 「6年間つきあって、昨年(2004年)の2月2日に入籍しました」

――宮下騎手が、女性騎手の日本最多勝記録を達成なさったとき、小山騎手も同じレースに乗っておられましたよね。レース前から名古屋競馬場はすごい熱気で、パドックで「小山〜!ガード、ガード!」なんて声援(?)も飛んでいたとか。

小山 「え、そうなんですか。それは知らなかったな(笑)」

――圧倒的1番人気(単勝1.0倍)のアジャイルスーパーに跨って、無事1着でゴールなさった瞬間は…。

宮下 「ホッとしました。やっぱり、『ここで勝たなきゃいけない』というプレッシャーがありましたから。もちろん嬉しかったですけど、やっと肩の荷が下りた……みたいな感じもありましたね(笑)」

小山 「あの頃、取材がすごかったからね。『ホント、よかったね』という気持ちでした」

――女性騎手最多勝の記録は、益田競馬で活躍していた吉岡牧子元騎手が持っていたんですよね。

宮下 「先日、吉岡さんに『怪我だけには気をつけて、これからもがんばってね』と励ましていただきました」

――ところで、ご夫婦で同じレースに騎乗しているとき、特別に意識されることはありますか。

宮下 「いえ、それはないですね」

小山 「『邪魔をしないように』とは思います(笑)」

――宮下騎手は、お家でどんな料理を作られるんでしょうか。

宮下 「ハンバーグとか、煮物とか、ひと通りは作ります」

――手料理は美味しいですか?

小山 「マズくはないです」

宮下 「なんか、言い方がムカつきますね(笑)」

小山 「肉じゃがは美味いと思うよ」

宮下 「『マズくはない』んだよね(笑)」

――ムフフ。おふたりとも動物好きで、たくさん飼っておられるとか。

宮下 「犬を2匹と、猫が1匹と、ウサギを一羽。それと熱帯魚ですね」

小山 「僕は料理はできないんで、彼女が料理を作っている間に動物の世話をしています」

――家事をきっちり分担なさっているんですね。ところで、「宮下騎手は気が強い」という噂が…。

宮下 「強いです(笑)」

――夫婦喧嘩、激しかったりして…。

小山 「彼女はすぐスネますね(笑)」

宮下 「あはは。私が怒っても、彼は全然相手にしないんで、喧嘩にならないです」

小山 「普通に相手してるじゃん(笑)」

――バランスのいいご夫婦ですな〜。休日の過ごし方は?

小山 「寝とります(笑)」

宮下 「いや、買い物に行ったりとかしますよ」

小山 「あ、こないだ旅行に行ったね」

宮下 「鳥羽に犬と一緒に泊まれるホテルがあったんで、遊びに行ってきました」

小山 「冬は騎手仲間とスノーボードに行ったりしています」

宮下 「みんな、けっこうスピード出しますよ。騎手はスピード慣れしているのかな? みんなピューンと行っちゃいますね」

――賭け事はしますか?

宮下 「私はしませんけど、彼は…」

小山 「以前はよく、ウインズに行って中央競馬の馬券を買っていました」

宮下 「よく文句を言ってましたよ。『もっと行け〜、外まわるな〜』とか(笑)」

――パドックでヤジられたりすると、ムカッときます?

宮下 「にらんだりしますよ(笑)」

――おおっ!

宮下 「本命を飛ばしたあとにヤジられるなら納得がいくんですけど、1レースのパドックで、いきなり『コノヤロ〜!』なんて言われると、『まだ乗ってないじゃん!』と思いますね。腹立たしいです(笑)。逆に、『がんばって!』なんて声をかけていただくと、すごく嬉しいですね」

――先日、宮下騎手を本命にして、馬券を獲らせていただきました(喜)。力強い騎乗に感謝であります。特別な筋力トレーニングをしたりなさってます?

宮下 「いえ、筋肉は、調教をつけていると自然についてきます。今は毎朝2時に起きて、20頭くらい乗っていますね」

――その根性があるから、男性と肩を並べて活躍できるんでしょうね。でも、デビュー当時は、「女だから」なんて言われたりしたんでしょうか。

宮下 「今でも、ハナ差で負けたりすると、やっぱり言う人はいますね。そんなときは、『なにぃー!』とか思います(笑)。で、次に勝ったりすると、嬉しいですよ。『ほらみろ』みたいな(笑)」

画像(ヨシノイチバンボシ)

――そのファイトが素敵です。

宮下 「そうでしょうか(笑)。400勝を目指して、がんばりたいですね」

――11月3日の名古屋JBCが、いよいよ目前に迫ってきました。名古屋競馬の魅力を教えてください。

宮下 「馬とお客さんとの距離が近いですよね。コースでもパドックでも、近くで馬を見られるから、そこがすごくいいと思います」

――中央競馬とはまた違った楽しみがありますよね。

小山 「毎日のように通っていれば、馬券も当たりやすいと思います。常連さんは、馬のことをよくご存知ですよね。騎手の私生活まで知っている人もいます。なんで知ってるんだろう(笑)」

――10月には、新人の山本茜騎手がデビューしますよね。

宮下 「やっぱり、女の子が入ってくるのは嬉しいですよ。すごく楽しみにしています。よきライバルになれるといいですね」

――最後に、ミョーなことを聞いちゃっていいでしょうか。ご結婚されるとき、「もし別れたら…」なんて不安はよぎらなかったですか?

小山 「そのときはもう、辞めてもらうしかないかな」

宮下 「いや、こちらに辞めてもらいます」

――あわわ…。

宮下 「たぶん、そういう心配はないですよ(笑)」

小山 「うん、考えたことないよね(笑)」

<取材メモ>
  まったく違う環境から、馬に対する愛情を介して結ばれたおふたり。なんともお似合いのご夫婦でございます。宮下騎手を見るときの、小山騎手のあたたかい眼差しが印象的でした。めおとパワーで、名古屋競馬を盛り上げていってくださいね。

画像(ヨシノイチバンボシ)

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