2005 JBC特集

“ダート競馬の祭典”JBCクラシック&JBCスプリントを徹底特集

netkeiba.com > 2005JBC特集> 特別インタビュー 名古屋の☆〜ヨシノイチバンボシの素顔〜

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特別インタビュー

特別インタビュー
◆錦見勇夫調教師
錦見調教師
かきつばた記念を制すなど、並み居る中央馬と互角に渡り合っているヨシノイチバンボシ(牡4、名古屋・錦見勇夫厩舎)。ヨシノイチバンボシは、今年11月3日のJBCスプリント(名古屋競馬場、交流GI・ダート1400m)に出走を予定しています。同馬を管理する錦見調教師は、調教師歴28年、リーディングトレーナーに輝くこと3回の名伯楽。そんな錦見調教師に、名古屋No.1ホースの強さの秘密をうかがってきました!

(聞き手・構成…井上オークス)

>> ヨシノイチバンボシのデータ

――佐賀のサマーチャンピオン(交流GIII)では、アグネスジェダイとの叩き合いの末にクビ差の2着。惜しかったですね。

「もうちょっとでしたね。でも、レースの内容は最高に近かった。道中を2番手で進んで、自分の競馬をして負けたから。この馬としては、先行して、前を行く馬を直線に入ってから少し交わすような競馬が理想的だと思います」

――アグネスジェダイに敗れたとはいえ、のちに東京盃(交流GII)を制する馬と接戦を演じたのだから、かなりの力があるのではないでしょうか。

「地方の馬になら、たいてい負けないと思うし、中央の馬とも、それほど力の差がないんじゃないかな。ただ、ちょっと、並ぶと交わさんところがあって…」

――そういえば、サマーチャンピオンでは交わせそうで交わせない感じでした。

「わりとおとなしい馬だったんだけど、力をつけてくるにつれて、ヤンチャな部分が出てきた。乗り運動をしているときに、他の馬が来るとピタッと動かんようになったりするんですよ。他の馬を気にする部分があるみたいでね。レースのときにも、多少そういう傾向が出ているんじゃないかな。ピュッと一気に交わせばいいんだろうけど」

――無駄な力は使わない、と。頭がいいんでしょうね。

「そうそう(笑)。賢い馬だと思います。目一杯走らんところもあります。だから、丈夫で長持ちするのかもわからんね」

――普段はどんな風に過ごしていますか。

「しょっちゅう寝とる馬です。よく寝る分だけ、成長するんやないかな? いまも馬房で昼寝しとるんじゃないかな(笑)」

――『寝る子は育つ』っていいますもんね。

「昔、うちの厩舎にダイブンメイっていうアラブ馬がおってね。60キロの斤量を背負ってサラブレッドに挑戦した馬なんだけど、最初は390キロそこそこだったのが、最終的には460キロぐらいになった。だんだん大きくなって、よく走りましたよ。その馬は、昼も寝っぱなしでした(笑)。ヨシノイチバンボシもよく寝る。それもやっぱり、『余分な力を使わん』ということだろうね

画像ヨシノイチバンボシ

――いまも成長を続けているのでしょうか。

「まだ成長の段階だと思います。もっと力をつけていくんじゃないかな。どこまで伸びるかねえ。今年から来年にかけて、もう一歩、成長してくれることを期待しています」

――各地の交流重賞に出走する機会が多いですが、輸送は問題ないですか?

「早めに持っていくと、かえって太くなって困るぐらい(笑)。遠征先でも、食欲が落ちないからね。輸送には慣れているから、大丈夫ですよ」

――名古屋競馬場でのデビュー戦(フレッシュゴールド2歳)では、4馬身差の圧勝を飾ったんですよね。

「でもまさか、ここまで走るとは思わなかった。牧場で初めて見たときも、ちょっと固そうな馬でね。だけど、月日が経つにつれて、馬の体形が変わってきたもんなあ。やっぱり走る馬は変わるんだなあ、変わったら走るんだなあ、と。色々勉強になりますよね。この仕事は何年間やっていてもわからんねえ。いや、ここまで走るとは思わんかったよ(笑)」

――ヨシノイチバンボシのお父さんはトーヨーリファール。芝・ダートを問わず、重賞戦線で活躍した馬でした。

「ヨシノイチバンボシは、走法から見てダート向きの馬だと思います。僕らの言葉でいうと『たくる』って言うんだけど、地面を掻くような走りをしますからね。体形的にも、胴がちょっと短くて、腰のプクッとした馬だから、どちらかと言えばダートが合っていると思います」

――パワーがあるんでしょうか。

「そうですね。力強い跳びの馬です」

――地元で開催される“地方競馬の祭典”に愛馬を送り出そうとなさっていて、しかも好勝負を期待されています。プレッシャーはありますか。

「プレッシャーはないですね。もう、楽しみですよ。もっと宣伝してもらいたいくらい(笑)。中央の馬は強いけど、なんとか…。地元の馬として、地の利を生かしたいなと思います」

――楽しみにしています。

「園田の姫山菊花賞(10月6日、ダート1700m)を使ってから、JBCスプリントを目指します。競馬だからやってみんとわからんけど、地方の馬には負けないんじゃないかな」

 

<後日談>
  取材後、ヨシノイチバンボシは順調に調整され、姫山菊花賞に出走しました。
  好スタートを決めて先頭に立ったヨシノイチバンボシですが、浦和から来たアースクエイクに競りかけられ、道中を掛かり気味に進みました。そして直線、園田の強豪・グレートステージに追い詰められるも、クビ差凌いでゴール。単勝1.4倍の人気に応え、姫山菊花賞を制覇しました。レース後、手綱をとった安部幸夫騎手と、錦見調教師にコメントをいただきました。

画像(ヨシノイチバンボシ)

  安部騎手 「競りかけられた分、少し掛かりましたね。今まで短いところを中心に走ってきたから、この馬にとってはペースが遅かったという影響もあると思います。これからもっとよくなってくると思いますよ」

  錦見調教師 「ちょっと危なかったですね(笑)。もう少し余裕で勝つかなと思ったけど、まだ7〜8分の出来だったからね。道中掛かって、終いが甘くなったのは、まだ馬が太い分でしょう。次走は予定通り、JBCスプリントです」

<メモ>
  錦見調教師にお話をうががったあと、ヨシノイチバンボシの馬房をのぞかせていただきました。ヨシノイチバンボシくんは、ついさっきまで眠っていたのか、たてがみに寝藁をたくさんつけたまま、飼い葉桶に首を突っ込んでいました。よく寝て、よく食べて、よく運動して、11月3日を迎えてくださいね。

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