2005 JBC特集

“ダート競馬の祭典”JBCクラシック&JBCスプリントを徹底特集

netkeiba.com > 2005JBC特集> 『ピンク対談』内田利雄&岡部誠

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特別対談

特別対談
◆内田利雄騎手&岡部誠騎手
内田利雄騎手&岡部誠騎手

名古屋競馬の若手No.1ジョッキーである岡部誠騎手。そして、笠松競馬で騎乗中の3000勝ジョッキー、Mr.PINKこと内田利雄騎手。東海公営競馬で騎乗するふたりには共通点があります。それは「ピンクの勝負服」。そして、地方競馬を盛り上げたいという熱い心。さらに、底抜けに明るいキャラクターです。というわけで、ピンク対談のはじまりはじまり〜!

名古屋市「K-BAR うまなり」にて
( 聞き手・構成…井上オークス )

さすらいのジョッキー・Mr.PINKが目指すもの

――ピンクの勝負服を身にまとうふたりの騎手が、16歳の年齢差を超越して意気投合。そんな噂を聞きつけて、対談をセッティングしちゃいました。よろしくお願いします!

岡部 「内田さん、今日はとことん飲みましょう!」

内田 「岡部君は、一足先に家で飲んできたんだって? 大丈夫? 夜は長いよ(笑)」

井上オークスを交えて
岡部誠騎手

――おふたりの初対面は?

岡部 「今年の7月、マーキュリーカップに乗るために盛岡競馬場に遠征したとき、初めて内田さんにお会いしました。渋くてかっこいい人やなあと思いましたよ。なにか、顔から滲み出すものがありますよね」

内田 「そうかな(笑)」

岡部 「しかもその日、内田さんは3勝なさったんです。短期で乗りに来ている騎手が、グレードレースがあってお客さんがたくさん入っている日に3つも勝つなんて、やっぱりかっこいいですよ!」

内田 「ありがとう。いい馬に乗せていただいたんだよ」

岡部 「で、僕に『今度、東海に乗りに行くからよろしくね』と挨拶してくださって」

内田 「7月には、岩手競馬の次は笠松競馬に短期所属することが決まっていたからね」

岡部 「ずっと楽しみにしてました!」

内田 「そんなふうに受け入れてもらえると、"フリー騎手"を目指している僕としては本当にありがたいよ」

岡部 「同じ"ピンク"ですから(笑)。正味な話、内田さんのように腕のある騎手が乗りに来ると、地元の騎手にとっていい刺激になると思うんですよ」

内田 「腕を競い合って、ファンの方にいいレースを見てもらいたいよね」

――地方競馬場を転戦することで、『地方騎手のフリー化』を推進している内田騎手。内田騎手の働きかけが実を結び、岩手競馬では、通算1000勝以上挙げている騎手に限って、年間4開催(約2ヵ月)の「短期所属」を受け入れることになりました。

岡部 「内田さんの功績ですよね。僕はもうすぐ1000勝できそうなんですけど、達成できたら岩手競馬に乗りに行きたいと思っているんです」

内田 「嬉しいねえ。岡部君のような若い子があとに続いてくれると、本当に嬉しいな」

岡部 「いろんな競馬場で乗ってみたいんですよ」

内田 「岡部君は、いまいくつなの?」

岡部 「28歳です」

内田利雄騎手

内田 「一番いいときだねえ。若いときは、色々な競馬場で乗りたいよね。宇都宮競馬もそうだけど、廃止になった競馬場の騎手は、騎乗する場がなくなってしまう。移籍先が上手く決まればいいけれど、受け入れ先が見つからない若いジョッキーは、本当にかわいそうだよ。技術を磨いているうちに、廃止になっちゃうんだから。我々おじさんジョッキーも、移籍に年齢制限があったりして、なかなか厳しい面がある」

岡部 「内田さんは、地方騎手全体のことを考えて、フリー化を推進しているんですよね。誰かがやらないと変わらないことを、変えようとしている。口で言うのは簡単だけど、並大抵の決意でできることじゃないと思います。ご家族を栃木に残して、ずっと単身赴任でしょう。寂しくなりませんか?」

内田 「たまに栃木に帰って子供の顔を見ると、『このままずっと家にいたいな』なんて思っちゃうね。歳も歳だし、体力的な不安もある。だけど、騎手でいられるうちじゃないとできないことだからね。やっておかなきゃ、あとで後悔すると思うんだ。やっぱり、『今やる』ことが大切だと思うんだよ」

岡部 「地方競馬同士、もっと交流したいですよね。内田さんの試みは、地方競馬を盛り上げるきっかけになると思います」

内田 「地方競馬の廃止は宇都宮で最後にしたいから、頑張らないとね。老骨に鞭打って(笑)」

岡部 「言葉に重みがあります。俺、歳を取ったらこういう男になりたいなあ……」

内田 「歳を食ってもピンクの似合う男に?(笑)」

内田&岡部の勝負服姿

どこもかしこもピンクです!

――なぜピンクの勝負服を選ばれたんですか?

岡部 「名古屋の騎手は元々、入る枠の色と同じ色の『枠服』を使っていたんです。使いまわしだったんですよ。全部同じサイズで、ちょっと大きめだったから、騎手によってはダブダブで」

内田 「じゃあ、体を勝負服のサイズに合わせないといけなかったんだ(笑)」

岡部 「そうですね(笑)。でも、96年に枠服が廃止されて、個人の勝負服を作ることになったんです。最初、兄弟子が僕の勝負服のデザインを考えてくれたんですけど、『他の騎手と色が似てるからダメだ』ってことになって。で、僕はヤマニンゼファーが好きだったから、水色に赤のラインが入ったヤマニンの勝負服を真似しようとしたら、水色を使えないことが判明した(笑)。そうこうしているうちに時間がなくなって、『え〜い、名古屋は外枠が有利だから、ピンクにしちゃえ!』という感じで、現在に至ります(笑)」

内田 「そんな経緯があったんだ(笑)。僕はとにかく、どこにいても目立つようにピンクを選びました」

岡部 「内田さんの勝負服って、すごくインパクトがありますよね。しかも、今着ているシャツもピンクじゃないですか。私服もピンクだなんて、こだわりが違う!」

内田 「僕はピンクで売り出しているからね。ピンクを大切にしなきゃっていう気持ちがあるから、私服もピンクのものを選んじゃうんだ。下着もピンクだから、脱いでも脱いでもピンクだよ(笑)」

岡部 「乳首もピンク?」

内田 「もちろんピンクだよ(笑)」

――内田騎手は、パドックにカメラを構えたお客さんがいると、にっこり微笑んでくれますよね。

内田 「『100万ドルの流し目』です(笑)。でも最近、もうちょっと高くしようかなと思ってて」

岡部 「『100万ウォンの流し目』にしますか」

内田 「それ、安くなってるよ(笑)」

岡部 「100万元にしますか? 100万ユーロとか」

内田 「高いのか安いのか、よくわからないよ(笑)」

岡部 「僕もわかりません(笑)」

内田 「いまのところ、お客さんが女性の方なら100万ドル、男性の方なら100円になっています。いや、冗談ですよ(笑)」

岡部 「そういえば、内田さんは歌がお上手で、CDを出してるんですよね。今度売ってくださいよ。トレセンに通勤するときに、車の中で聴きますから」

内田 「じゃあ今度、後部座席で歌ってあげるよ」

岡部 「ナマですか。それはちょっと困るなあ(笑)」

JBC&東海公営競馬にかけるピンクの情熱!

――11月3日には、名古屋競馬場で初めてJBCが開催されます。岡部さんは、昨年のJBCスプリント(大井)に騎乗なさったんですよね。

岡部 「ユウキュウという馬に騎乗して、11着でした。だけど、気持ちよかったですよ。ナイター競馬は華やかだし、お客さんもたくさん入って盛り上がっていたし。アドレナリンが出ましたね」

内田 「僕はまだ、JBCに乗ったことがないんだよ。ベラミロードで出走したかったんだけど、彼女は2001年に大井のTCK女王杯を勝ったときに、燃え尽きてしまったから」

ガッチリ握手!

岡部 「やっぱり、ベラミロードの走りはよかったんですか?」

内田 「よかったねえ。ちっちゃくて見栄えのしない馬だったんだけど、乗ってみると『なんだこの手応えは……!』という感じで。それに、調教を積んでいくにつれてだんだんよくなっていくから、嬉しくてね。騎手冥利に尽きる馬だったなあ」

――内田騎手には、「Mr.PINK」をはじめとして、「ピンクの勝負師」「さすらいのジョッキー」など、色々な別名がありますよね。

内田 「『ひまわる』というバンドのボーカルを担当するときは、"リチャード"になります。それと最近、"セクハラジョッキー"というキャッチフレーズも増えました(笑)」

――バラエティに富んでいますね(笑)。岡部騎手もなにかキャッチフレーズを作ってみては? 以前、名古屋のパドックに「ピンクの王子様」っていう横断幕が貼り出されていたそうですね。「ピンク王子」なんていかがですか?

岡部 「ピンク王子ですか。いいかも!」

内田 「いいんじゃない? ピンク王子とMr.PINKで、地方競馬を盛り上げていこうか」

岡部 「そうですね。僕ももっと、普段からピンクに染まらないと!」

――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

岡部 「名古屋は今、熱いですよね。愛知万博も盛り上がったし、セントレア空港もできた。名古屋嬢もかわいいし(笑)。JBCを開催する名古屋競馬も熱いんです。名古屋にしろ、内田さんが短期所属している笠松にしろ、東海公営競馬には、腕のある騎手が揃っています。だから、『来てくれよ!来てくれたらいいもん見せるぜ!』と伝えたいですね」

内田 「名古屋も笠松も、いいところです。ぜひ一度、競馬場にいらしてください。熱い騎乗と、熱い流し目でお迎えいたします(笑)。11月3日には、西日本で初めてJBCが開催されます。全国各地から集まってくる強い馬のぶつかりあいと、騎手の技術の競いあいをご堪能ください。僕もJBC、乗ってみたいなあ(笑)」

<<後日談>>

内田騎手は10月12日、笠松競馬場で行われた「第6回スプリント」をタイガーロータリーで制覇。11月3日のJBCスプリントに選出されました。高崎競馬の廃止に伴い、管理する川嶋弘吉調教師とともに笠松競馬に移籍してきたタイガーロータリーと、宇都宮競馬に所属していた名手のコンビが、「地方競馬の祭典」に挑みます。

内田 「同じ北関東出身のタイガーロータリーと一緒に、ずっと乗りたいと思っていたJBCに参戦できるなんて、感無量です。いま、岡部君は落馬負傷で休養しているんですよ。岡部君の分もがんばりたいですね」


内田利雄(1961年生まれ)

Mr.PINKの愛称で親しまれる3000勝の名手。宇都宮競馬に所属していたが、2005年3月の廃止に伴い、地方競馬史上初のフリー騎手を目指している。同年6月から8月まで岩手競馬に所属。9月から笠松競馬に所属し、東海公営競馬(笠松、名古屋)で騎乗中。

岡部誠(1977年生まれ)

2004年度の名古屋競馬リーディングジョッキー。2005年はミツアキサイレンスに騎乗してオグリキャップ記念(笠松)を制覇するなど、活躍中。通算969勝を挙げている(2005年10月31日現在)。好物はビールで、誕生日は3月3日の「桃」の節句。


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