外国馬分析

海外競馬評論家の秋山響を迎え、ジャパンCに出走を予定している外国馬を分析!日本のレースに置き換えたわかりやすい説明や、各馬の脚質、そして筆者の買い度は必見です!

ディラントーマス

今年の凱旋門賞を制した欧州最強馬が来日!

性齢 牡4歳 所属 愛国
父名 デインヒル 母名 Lagrion
厩舎 A.オブライエン厩舎 戦績 19戦10勝
主な
勝ち鞍
07年 凱旋門賞(GI)
07年 キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GI)
06年、07年 アイリッシュチャンピオンS(GI)

今年の目玉。昨年は愛ダービー(GI、12ハロン)、愛チャンピオンS(GI、10ハロン)とGI2勝。愛チャンピオンSでは昨年のジャパンC3着馬のウィジャボードを退けた。4歳になった今年は4月から休みなく使われ、古馬としては1958年のバリモス以来となるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(GI、12ハロン)と凱旋門賞(GI、2400m)の同一年制覇を達成。キングジョージは上半期の総決算で、日本の競馬で言えば宝塚記念。凱旋門賞はジャパンCと有馬記念を足したような、欧州では唯一無二の大レースだ。

また、そのほかにガネー賞(GI、2100m)、愛チャンピオンS(GI)も制しており、GI勝利は6を数える。文句なしに今年の欧州を代表する馬。ここを勝ってもなんの驚きはない。

脚質は差し。スパッという感じはないが、長くいい脚を使う。ただし、BCターフ(GI、12ハロン)の大敗が示すように渋った馬場はまるでダメ。日本の堅い馬場に向くと考えての来日だが、これほどの高速馬場の経験はない点は留意しておくべき。連戦の疲れがあるのかどうかも含めて、調教の動きには注意したい。

※ジャパンC出走取り止めのお知らせ

日本のレースに例えると?
凱旋門賞→ジャパンC+有馬記念
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS→宝塚記念

買い度 70%

サデックス

今年の凱旋門賞を制した欧州最強馬が来日!

性齢 牡4歳 所属 独国
父名 Sadler's Wells 母名 Remote Romance
厩舎 P.ラウ厩舎 戦績 12戦6勝
主な
勝ち鞍
07年 ラインラントポカル(GI)
07年 シャンティイ大賞典(GII)
07年 ゲルリング賞(GII)

昨年は独ダービー(GI)4着、バーデン大賞(GI)3着と一線級で活躍したが、重賞初制覇は今年4月のゲルリンク賞(GII、2400m)。前年のバーデン大賞で敗れたプリンスフローリなどを下してのものだった。これで本格化したサデックスは、つづくシャンティイ大賞典(GII、2400m)、ラインラントポカル(GI、2400m)と連勝。前走の凱旋門賞(GI)はディラントーマスの6着だったが、先行勢総崩れの流れでは良く粘った方。着順ほど悪い内容ではなかった。タイトルのラインラントポカルはドイツ最大のレースであるバーデン大賞へのステップ。欧州では日本よりシーズンが全体的に前倒しになっているため、夏と秋の違いはあるものの、日本で言えば京都大賞典のようなレースだ。

レースでは先行するのが基本だが、ある程度の自在性はありそう。シャンティイ大賞典は中団から差す競馬だった。馬場はパンパンの良馬場の経験がなく未知数。父サドラーズウェルズからも、少し渋って力の要る馬場が理想だろう。大崩れのないタイプだけに、うまく立ち回れば掲示板圏内の期待も。

日本のレースに例えると?
ラインラントポカル→京都大賞典

買い度 40%

ペイパルブル

名門M.スタウト厩舎の秘蔵っ子

性齢 牡4歳 所属 英国
父名 モンジュー 母名 Mialuna
厩舎 M.スタウト厩舎 戦績 14戦6勝
主な
勝ち鞍
07年 プリンセスオブウェールズS(GII)
07年 ジェフリーフリーアS(GIII)
06年 キングエドワード7世S(GII)

3歳5月のチェスターヴァーズ(GIII、12ハロン66ヤード)で重賞初制覇。英ダービー(GI)では10着に終わったが、つづくキングエドワード7世S(GII、12ハロン)では、後のBCターフ(GI)の勝ち馬レッドロックスをねじ伏せた。4歳になった今年は3戦目のプリンセスオブウェールズS(GII、12ハロン)で初勝利を挙げ、つづくジェフリーフリーアS(GIII、13ハロン61ヤード)も連勝。前走のアークトライアルS(GIII、11ハロン5ヤード)はハリカナサスの3着だったが、終いの脚はこちらの方が良く、負けて強しの内容だった。プリンセスオブウェールズSは時期的にハンデ戦ではないものの、目黒記念のようなレース。GIには少し足りない、もしくはこれからGIを目指そうというクラシックディスタンス向きの馬が使うレースだ。

脚質は差し・追い込み。馬場は問わないが、ズブいところのある馬で、エンジンの掛かりが少し遅い。直線は長ければ長いほど良さそうで、そういう意味では府中は合いそう。勝ち切るまでは難しいだろうが、ジャパンC2勝のM・スタウト師の手腕も加味して不気味な存在ではある。

日本のレースに例えると?
プリンセスオブウェールズS→目黒記念

買い度 30%

アルティストロワイヤル

早々に来日した西海岸のエース

性齢 牡6歳 所属 米国
父名 デインヒル 母名 Agathe
厩舎 N.ドライスデール厩舎 戦績 20戦5勝
主な
勝ち鞍
07年 クレメントL.ハーシュ記念芝選手権(GI)

10月はじめのクレメントL.ハーシュ記念芝選手権(10ハロン)でGI初制覇。このレースはブリーダーズCへのステップという意味合いがあり、日本のレースで言えばオールカマーのイメージ(ただしほとんど西海岸の馬しか出走しない)。今年の西海岸の芝路線にはザティンマン(昨年のアーリントンミリオン・GI 優勝)という柱がいたが、そのザティンマンを倒しての優勝だから西海岸のトップに立ったとは言える。  ただ、そのザティンマンにしてもピークはすでに過ぎていた印象だし、3着以下の顔ぶれを見ても、とても強豪とは言えないメンツ。GIとしては低レベルのレースだったことは指摘しておきたい。

脚質的には差しタイプ。高速決着も問題無さそうだが、ベスト距離は2000m前後。2400mはこなせる程度だろう。全姉に仏オークス馬のアクアレリストを持つ血統背景。名伯楽N・ドライスデール師が早くからこのレースに照準を絞っていた点を忘れてはならないが、それでも食指は動きづらい。

日本のレースに例えると?
クレメントL.ハーシュ記念芝選手権→オールカマー

買い度 25%

ハリカナサス

20年ぶり3歳外国馬のJC制覇に挑む!

性齢 牡3歳 所属 英国
父名 Cape Cross 母名 Launch Time
厩舎 M.シャノン厩舎 戦績 13戦5勝
主な
勝ち鞍
07年 アークトライアルS(GIII)
07年 ローズオブランカスターS(GIII)
06年 スーパーラティヴS(GII)

2歳時にデビュー2連勝でスーパーラティヴS(GII、7ハロン)を制覇。3歳になった今年も8月のローズオブランカスターS(GIII、10ハロン120ヤード)、前走のアークトライアルS(GIII、11ハロン5ヤード)とふたつの重賞タイトルを付け加えた。アークトライアルSは凱旋門賞へのステップに位置付けられるが、レベル的に繋がりは薄い。時期的に朝日チャレンジCに近いイメージになる。

脚質は差し・追い込みタイプ。長くいい脚が使え、スローからの上がり勝負となったローズオブランカスターSではその差し脚が際立っていた。距離は未経験となるが、レースぶりからは問題はないだろう。

ここは堅い馬場を狙っての遠征。条件はそろっているが、問題は相手関係。これまで3度GI(デューハーストS、英2000ギニー、仏ダービー)に挑戦して、そのいずれもが10着以下。GIでは少し荷が重いというのが今の実力だろう。

日本のレースに例えると?
アークトライアルS→朝日チャレンジC

買い度 10%

秋山 響(あきやま きょう)

T.I.S.(サラブレットインフォメーションシステム)所属。海外競馬に精通しており、今年の凱旋門賞では取材のため渡仏、現地レポーターを務めた。競馬雑誌、スポーツ紙などに多数寄稿。現在は、東京スポーツでコラムを連載中。


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